貨物を決める前の航海計算
運賃からタイムチャーター換算までを追う航海計算と、答えを三割五分動かす二つの入力——船位と在港時間。
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執筆:Konstantin Kalnyi(Kiev Shipping Ltd 創業者兼CEO)
成約の判断は最後にひとつの数字に行き着きますが、それは運賃率ではありません。タイムチャーター換算——その航海を遂行する費用を差し引いたあとで、本船が一日いくら稼ぐか——です。運賃率がまるで違う二つの貨物が同じ日収をもたらすこともあれば、同じ貨物が船の居場所しだいでまったく違う結果を出すこともあります。
計算そのものは複雑ではありません。役に立つかどうかを分けるのは、オファーを出す前にやるか、航海が終わってからやるかです。
計算に入るもの
航海計算は四つの部分でできています。収入、時間、燃料、港費です。
- 収入 — 本船が実際に積める数量に対する運賃から、アドレスコミッションと仲介手数料を引き、見込まれる滞船料を足し、早出料を引いたもの;
- 時間 — 積地までのバラスト日数、揚地までの積荷日数、そして各港での待ち時間を含む在港日数;
- 燃料 — 海上の積荷時とバラスト時の消費、在港中の消費、そして補油地点での各油種の価格;
- 港費 — 入港料、水先、曳船、代理店費、そして運河や通峡の費用。
残った額を総日数で割ったものがタイムチャーター換算です。この数字を、期間用船の市況と、本船の一日あたり運航費と、そのとき卓上にある他のすべての貨物と比べます。
実際に計算してみる
載貨重量 12,500 トンのギア付き一般貨物船がシンガポールで空きます。持ち込まれた貨物は袋入り肥料 11,500 トン、上海からジェベルアリまで、運賃はトンあたり 58.00 ドル、フリー・イン・アンド・アウト、手数料は合計 3.75 パーセントです。
本船は海上、積荷 11.5 ノットで日 16 トン、バラスト 12 ノットで日 14 トン、在港で日 2.5 トンを燃やします。燃料はトンあたり 560 ドルで見ます。積込みは日 1,500 トン、揚荷は日 1,200 トンを見込みます。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 運賃総額 | 11,500 トン × 58.00 ドル | 667,000 ドル |
| 手数料 | 3.75 % | – 25,013 ドル |
| 運賃正味 | 641,987 ドル | |
| バラスト、シンガポール – 上海 | 2,150 海里、12.0 ノット | 7.5 日 |
| 積荷、上海 – ジェベルアリ | 5,400 海里、11.5 ノット | 19.6 日 |
| 積込み | 11,500 トン、日 1,500 トン | 8.0 日 |
| 揚荷 | 11,500 トン、日 1,200 トン | 10.0 日 |
| 航海合計 | 45.1 日 | |
| 海上の燃料 | バラスト 105 トン + 積荷 314 トン | 419 トン |
| 在港の燃料 | 18 日 × 2.5 トン | 45 トン |
| 燃料費 | 464 トン × 560 ドル | – 259,616 ドル |
| 港費 | 上海 38,000 + ジェベルアリ 55,000 | – 93,000 ドル |
| 航海の結果 | 289,371 ドル | |
| タイムチャーター換算 | 289,371 ÷ 45.1 | 6,416 ドル/日 |
数値は計算の組み立てを示すための例示であり、現在の市況を表すものではありません。
答えを動かす二つの数字
船位
この計算のバラスト区間は 2,150 海里で、貨物が一トンも載らないうちに七日半と 105 トンの燃料を使います。同じ船が青島で空くとしてみましょう——積地から四百海里です。
運賃は変わりません。航海は 39.0 日に縮み、燃料費はおよそ 47,800 ドル減ります。結果は 337,200 ドルに上がり、タイムチャーター換算は 一日 8,646 ドル——まったく同じ成約で三割五分増しです。
船主がどの貨物についてもまず船の居場所を尋ねるのはこのためであり、船位を知っているブローカーなら数分でその貨物に手をかける価値があるか判断できるのもこのためです。
在港時間
もとの計算に戻って、揚荷が見込みより四日長引いたとします——岸壁の混雑、遅いギャング、袋物にかかる雨。四日で燃料が十トン余計にかかり、それ以上に、分母が四日増えます。
結果は 49.1 日で 283,772 ドル、つまり 一日 5,780 ドル、見積りより一割低い水準です。この四日が合意した停泊期間の外に落ちれば滞船料で一部は戻りますが、内に落ちればそのまま失われます。合意した率と岸壁が実際に出す率は別の問いであり、用船契約に載るのはそのうち一方だけです。
計算から抜け落ちがちなもの
- 着岸前の待ち時間 — 混雑した港では端数ではなく、停泊期間に算入されるかは条項次第で、公平さの問題ではありません;
- 満載に足りない積高 — 喫水制限がパーセルを五パーセント削れば運賃も五パーセント減り、費用はそのままです;
- 補油地点での燃料価格 — 違う港の今日の値で組んだ見積りは見積りではありません;
- 貨物間の倉清掃 — 汚れた貨物のあとグレインクリーンに達するには日数がかかり、それは航海の外ではなく中にあります;
- 次の船位 — 出し貨のない海域で終わる航海は、次の成約から前借りしています。
最後の点は強調しておきます。日 6,400 ドルでも船をよい位置に残す航海は、日 7,000 ドルでも船を立ち往生させる航海より価値がありえます。計算は一航海を対象にしますが、判断は次の航海までを対象にします。
代替案と比べる
タイムチャーター換算は、比べる相手があって初めて意味をもちます。実務で船主が比べるのは三つです。本船の一日あたり運航費に資本費を加えたもの、その大きさと船齢でいま取れる期間用船の水準、そして同じ時点で開いている他の貨物です。
運航費を下回る航海でも、船をより強い市場へ移せるなら正しい判断でありえますし、期間用船の水準を上回る航海でも、二か月その航路から船を抜いてしまうなら誤りでありえます。計算は数字を出します。その数字をどうするかが判断です。
Kiev Shipping Ltd は商業船舶管理と船の稼働の一環として船主のために航海計算を作成しており、2000 年以降 350 を超える航海を成約してきました。速力、消費量、港費、見込む在港日数——前提を見えるかたちで示してご提示します。船主と当社が同じ土台で判断するためです。
あわせて:「船主が船の稼働を高めるには」 · 「船主のための商業船舶管理」 · さらに商業船舶管理で。
出典: kievshipping.com